令和元年5月
野生司香雪画伯顕彰会
主 旨
インドの聖地サールナート(鹿野園)にある仏教寺院、初転法輪寺(ムーラガンダクティー ・ビハーラ)に、83年前にアジャンター壁画模写体験のある日本人の野生司香雪が描いた日本画の仏伝(釈尊一代記)の大壁画がある。
戦前に日本とインドの民間文化交流として描かれた壁画は、今では経年劣化が進み剥落が激しく、寺院ではその精神を引き継ぐ日本人の手での保全をと長年呼びかけてきた。
壁画は今や日本の近代美術、仏教史上で再評価されるべき稀有な在外文化財でありインド国内外から訪れる人々との日本美術を介しての文化交流にも貢献、その対応が望まれる。
そこでまずは作家の郷土の香川県から声を上げ、壁画を後世に伝えるために関係者、わが国の優れた文化財保存技術関係者の協力を得て保全計画を策定、実行したい。ついてはその方法として全国の個人や団体、企業、寺院等に募金、ご支援を呼びかけ実現をはかる。
仏陀の初説法の聖地に建つ寺院は途絶えたインドでの仏教の再興を願い1931(昭和6)年に建立された。そして堂内を日本の芸術家による仏伝画で荘厳しようとコルカタの総領事館に働きかけがあった。結果、文部省や日印協会等が中心となって47歳の日本美術院院友の野生司香雪が選ばれ、助手と共に足かけ5年の苦節の末1936(昭和11)年に完成させた。
インド国内外の観光客や仏教徒が今でも感動している日本画の壁画は、アジャンタ壁画とともにサールナートの仏伝壁画として世界に広く知られ、今や世界の文化遺産である。
1.対象壁画名
記『釈尊一代記』1932〜1936(昭和11)完成(日本画・全長約44、高さ約4.3L)野生司香雪(本名述太1885(明治18)〜1973(昭和48)、香川県生、香川県工芸学校、東京美術学校、1918(大正7)アジャンタ壁画模写に参加、日本美術院会友)
2.所在地
インドウッタル・プラデシュ州ベナレス市サールナート(鹿野苑・釈尊が初説法した地)
3.寺院名
初転法輪寺(香雪が命名ムラガンダークチ・ビハーラ1931(昭和6)年〜)
4.管理団体
インド大菩提会(マハボディソサエティオブインディア1891(明治24)年〜本部コルカタ)
#KolkataBankimChatterjeeStreet4ASriDharmarajikaChetiyaVihara
創設者ダルマ・パーラ(スリランカ人・1864(元治元)年〜1933(昭和8)年)(対応窓口)GeneralSecretary(総書記)ベン・P・シーワリー師(office+91-33-2219-9294)
5.保全呼掛け
野生司香雪画伯顕彰会会長生田要助(顧問南澤道人)
・実行団体事務所
〒761-8077香川県高松市出作町162-36TEL087-889-0330
(事務局=溝渕茂樹、中村義博携帯090-3186-2069)
6.保全の内容
1壁画の剥落留め 2壁画古写真復元(デシタル化) 3壁画デシタル記録保存
一各事業の内容等一
1 剥落留め作業=剥落止めに限定(寺院側の要請)
作業日程(予定)合計74日間(予定)-3期で実施一・
【前期】2019(令和元)11月25日〜12月20日(26日間)東壁
【後期】1次2020(令和2)11月25日〜12月20日(26日間)西壁
2次2021(令和3)1月25日〜2月15日(22日間)南壁
2 壁画古写真復元(デシタル化)=完成50年目の壁画の写真
・1987(昭和62)年に写真家丸山勇氏撮影写真のデジタル化
3 壁画デジタル記録保存=制作80余年目の写真
・壁画の現状をスキャンしてデータ化し記録保存・今後の修復の際の参考データ等にも活用
4 事業の優先順・募金達成状況により、1→2→3の順に実施。※1、2は完全に実施。3は募金が未達成時にはデシタルカメラで記録を実施
7.保全指導監修
木島隆康東京藝術大学大学院教授(保存修復油画研究室)
8.保全作業担当
京藝大大学院保存修復日本画研究室荒井経教授推薦)
9.必要予算額
5,000万円
10.助成金・協賛(公財)仏教伝道協会(2か年で500万円、初年度分1/2を4月に受領予定)
(公財)住友財団(令和元年に再申請予定600万円)
11.募金予定額
助成金を除いた額4,500万円
12.募金委員会(立ち上げ準備中)
13.募金受付窓口・特別協力
(公財)文化財保護・芸術研究助成財団(東京都)
14.後援
香川県(公財)日印協会(東京都)
(学法)淑徳学園(東京都)
(公財)中村元東方研究所(東京都)
(学法)武蔵野大学(東京都)
インド大使館(予定・申請中)
香川県
以上