サールナート・ダーメクの塔と初転法輪寺

サールナートは仏教四大聖地の一つ。仏陀が初めて説法、初転法輪をした地。

インド北東部を流れるインドの母なる川、ガンガー(ガンジス河)。ヒンドゥ―教徒の巡礼者が訪れガートで沐浴する聖地で有名な、ワーラーナシー市(ベナーレス)の北の近郊にある。

ブッダガヤで悟りを開いた仏陀・お釈迦様が5人の弟子の元を訪れ、初めて説法をしたという聖地で、仏教徒にとって仏教、教団の生まれた大切な聖地である。

サールナートの象徴として有名なダーメクの塔(ダーメク・ストゥーパ)のある遺跡公園の東側に隣接して、初転法輪寺は立つ。また付近にはチベットや中国、ビルマなど近代以降に建てられた各国の仏教寺院も点在する。

かつて統治国イギリスの考古学者やインド考古局がダーメクの塔周辺の寺院跡を発掘調査し、塔のある一帯を遺跡公園として整備した。その一角にはアショカ王の石柱の基底部も保存され、見学できる。

遺跡から東をみると今では木立越しに初転法輪寺の塔部分が見える。数年前までは右手側あるダーメクの塔の横を通り過ぎて直接に初転法輪寺に行けたが、今ではその入り口は閉じ、公園の入口に再び戻り、土産物屋でにぎわう幅の広い道に出て寺院に行くしかない。インド流の門前町であり、にぎやかである。

また、近くに考古学博物館があり、発掘された遺物を展示や、インド各地出土の石仏、考古遺物などが展示されている。

公園の北側は動物園で鹿が放牧され、野生の孔雀が今も自由に飛び交う。また一帯には芝生が広がり、人々が憩いにやってきてにぎわう。

ちなみに他の四大聖地は、お釈迦様の生まれた土地、ルンビニー(ネパール国内)、悟りを開いたブッダガヤ、そして亡くなった土地のクシナガラである。

昭和7~11年 香雪の背に初転法輪寺、右にダメークの塔

ダメークの塔

香雪が当時座り写真に納まった同じ場所の今

初転法輪寺から見たダメークの塔

考古学博物館

入口にあるアショカ王石柱頂上部を飾る四頭獅子頭