インド大使館でのフォーラム終わりました。

10月31日(木)、東京千代田区九段南、靖国神社や武道館が近いインド大使館ブィブェーカナンダ文化センター(VCC)で開催したフォーラム「野生司香雪とサールナートの仏殿壁画」が無事終了しました。その様子はさっそくインド大使館が下記のフェイスブックや大使館ホームページで紹介してくれています。また参加者からも会場の様子が発信されています。ご覧ください。

https://www.facebook.com/IndiaInJapan/
https://indembassy-tokyo.gov.in/     これは英文のみみたいです。

今回のフォーラムでは
参加者は、北は北海道、南は沖縄まで全国からの約170人でした。野生司香雪のご親族、またいずれも香雪やインドとの縁の深かった日本画家の荒井寛方、桐谷洗鱗、また岡倉天心のお孫さんも参加してくれました。

最初にサンジェイ・クマール・ヴァルマ駐日インド大使のご挨拶があり、大使は「日印両国が共有する歴史、文化をさらに強化するため行動するとき」とあいさつされました。

また、募金の呼びかけ人でもある中村元東方研究所理事長の前田専學先生は恩師、文化勲章受章者中村元先生の言葉を引用し、香雪の仏伝壁画の大切さを説かれ、日本人の手での保全作業をぜひ成功させようとよびかけました。

続いて、栃木県さくら市ミュージアムー荒井寛方記念館の大木礼子学芸員が、近代の岡倉天心を先駆けとしてインドを訪れた画家達の紹介、そして現地で香雪をアジャンタ壁画の模写に誘った寛方のことやアジャンタでの逸話などを紹介しました。

次に顕彰会の溝渕が、香雪の生涯、特に日本画家を目指した香雪がインド美術研究でインドにわたり、幸運にも寛方にさそわれてアジャンタの壁画模写に参加した前半生、そして後半生の、サールナートでの壁画揮毫の奇縁と滞在長期化による困窮、その打開のための方策としての個展開催で経費捻出の苦労談、また帰国後には幸運にも信州善光寺の納骨堂の壁画揮毫の依頼があり、初転法輪寺と善光寺を結縁させる壁画を完成させたこと、さらには初転法輪寺壁画の下図の大本山永平寺への献納、またそのことから香川県で香雪の回顧展が開かれ、それが今回の保全活動の機縁になったことを紹介しました。

そして、続いて仏教学者、ベナレス・ヒンドゥー大学教授でもあった文化センターのシン所長は、サールナートの遺跡や初転法輪寺、香雪の壁画の意義などについて紹介されました。

続いて壁画の保全作業の監修を担当する木島隆康東京芸大名誉教授が、壁画の保存修復作業の方法等を説明、最後に顕彰会の生田会長がお礼のあいさつを述べてフォーラムは無事終了しました。

終了後、関係者が集合写真を撮影。その後ホワイエでインド風に参加者にインドのお茶を提供懇談。参加者が互いに交流を深め、壁画保全の実現のために努力することなどを話し合いました。

いよいよ11月27日には保存修理の第一期作業を開始するため専門家の皆さんが出発します。これが募金活動の弾みになればと願っています。

(文責 溝渕茂樹)