野生司香雪画伯顕彰会が刊行した『野生司香雪 その生涯とインドの仏伝壁画』をご紹介します。
近代に生まれ、現代まで生きた野生司香雪の生涯をとおして、我が国近現代の日本画壇、日印の民間文化交流史、仏教史の一端を垣間見ることができます。 また、描かれた22の画題、物語の写真を掲載し簡単な解説を加え、釈尊の生涯を知ることができます。
また香雪がインドのサールナート初転法輪寺で仏伝壁画を描くことになった奇縁、そして帰国後、インドに派遣される際に課せられ、描くことのなかった画題を信州の善光寺納骨堂の壁画揮毫で実現させた奇縁、さらには初転法輪寺の壁画の下図が大本山永平寺に献納された経緯などをご紹介します。
さらには今回の剥落止め、壁画保全プロジェクトに至る経緯、なぜ香雪の故郷から声を上げたかというお話などを一冊にまとめました。皆様のご参考になれば幸いです。
なお、この刊行本は、香雪画伯の顕彰のために過去2回出版された図書、展覧会図録『ー東洋の心・インドへの熱き想いー野生司香雪回顧展』香川県文化会館 昭和61年9月と、翌年刊行された『野生司香雪 仏画の世界』信濃毎日新聞社 1987年12月、『野生司香雪 – その生涯とインドの仏殿壁画 -』を基礎に新しく展開したものです。これらの本は、数が限られた図書ですが、香川県立図書館、東京芸術大学の図書館で見ることができます。
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